2022 巣立ち

2022 巣立ち

２０２２年

４月吉日

小さい方の宝物が家を離れ、一人暮らしを始めた。

大きな方の宝物が高校を卒業して、県外へ一人暮らしを始めたそんな兄の様子を見ていた娘。

いろんな事を考えて想像し、憧れだのだろう。

私達夫婦２人は、息子が家を出たその時に決めていた。もし県外の大学に行けば問答無用なのだか、たとえその時どこにいようが娘にも一人暮らしをさせようと。

その頃まだ中学生だった娘に「２０歳になった４月に一人暮らしを始めなさい」と伝えた。

嬉しそうに目を輝かせていた宝物を思い出す。

２０２１年９月、

娘は２０歳になった。

（その時がきてしまった、、、、。）

コロナ禍にあって、なかなか準備は進められなかったが、息子にしてやった事と同じぐらい、できるだけの事はしてやろうと思った。

準備が目に見えて進み始めたのは、年が明けた１月に入ってからだった。

部屋が決まった。

サイズが決まれば家具や家電もあっという間に決まるもので、ネットも駆使すりゃ　手に入らないものはない。

２０２２年４月、

引っ越し作業も　精魂込めて命懸けで(笑)

やり遂げた。

市内なので息子の時とは比べ物にならないくらい楽だったけど、バタバタバタバタして疲れ果てて家に帰ると、当然だけど小さい方の宝物の気配が無くなっている事に気がついた。

次の日、昨日まで娘の部屋だったそこには教科書やノートがなくなっている机だけがポツンと残っていた。

さすがに込み上げた。

もしかしたらもう二度と家に住むことはないだろうな。

でも、そう。

これでいいのだ。

これで。

離れたところからの応援は任せとけ！

届かないだろうけど(笑)

それから、夫婦２人の居住空間の模様替えが始まった。子ども達の部屋も綺麗さっぱりと片付けていった、だけど何故か子ども達の思い出の品物ばかりが身近な目の届くところに配置されているような気が(笑)

女房も喜びながら悲しんでいるのだ。

２ヶ月が経とうとしている。

先日、母が私の事を

「おにいちゃん、おにいちゃん！」と呼んでいた。初めて母に「おにいちゃん」と呼ばれた。

複雑な気持ちになったけど、母と２人で大笑いしたからまぁ良しとする。

空は晴天。

心も晴れ晴れ。

今日もみんなが笑顔であれ。

2022年

巣立ちパート２